LSPIとSNPlus そしてチェーン摩耗対策
近年省燃費性能が厳しく言われ、以前のガソリンエンジンと比べて排気量は小さくなり(ダウンサイジング)、高圧縮化された上にガソリンを直接燃焼室に噴射(直噴)するなどしてエンジンにはとても過酷な状態となっています。そのような中で起きた大問題がLSPI現象です。LSPIとは日本語では「低速早期着火」「スーパーノッキング」とよばれ、直噴エンジン(特に直噴ターボ)で起きる激しい異常燃焼です。エンジンが低回転から急速に加速する時などに起きやすく、①燃料の飛沫 ②オイルの飛沫 ③燃焼室内のカーボン などによりプラグで着火する前に先に着火してしまい、ひどい場合は写真のようにピストン等を破壊しエンジンを傷める現象です。
大問題となったLSPIに対してフォード・GMをはじめトヨタなど日米の自動車メーカーはオイル業界に強く対策を迫りました。そしてその要望によりエンジンオイルの新規格「SNPlus」が2018年5月に出ました。弊社では2018年7月からSNPlusオイルの販売を開始しています。多分国内製造では2社目の販売と思います。
このオイルはLSPIの大きな原因であるオイル中の清浄分散剤のCaスルホネートを半減し、代わりにMgスルホネートなどを使用することでエンジンのきれいに保ちつつLSPIの発生を抑えました。右図のようにLSPIはほぼ「0」に近いところまで減っています。現在LSPI対策オイルとして販売されているオイルには、Caスルホネートだけを半減して代わりとなる清浄分散剤を入れていないオイルも販売されております。このタイプのオイルは劣化が早く、エンジン内に汚れが溜まることになるので要注意です。
弊社のSNPlusオイルは2020年以降に予定されている次期規格の「SP規格」「GF-6規格」で取り入れられる予定の「チェーン摩耗対策」にも対応し摩耗低減を実現しております。LSPIの発生を極限まで抑え、さらにチェーン摩耗対策まで出来ている他社にはない優れたオイルです。
今回の要点は同じLSPI対策オイルでも中身は同じではないと言うことです。