ハーレー 指定粘度のオイルが大切 渋滞時の油圧も!
エボリューション以降のハーレーのエンジンには「20W50」が指定粘度となっています。これはハーレーが「20W50」の粘度でオイルポンプが作動しクリアランスなどを保つよう設計されているからです。
オイル粘度は、エンジンの可動部分を保護する大切な「クッション」です。例えばピストンとシリンダーの間は強靭な油膜でお互いが接触しないようになっています。またカムシャフトに滑り軸受(カムギアブッシング=メタル軸受け)を使用している場合では「軸」と「金属製ブッシュ」の間にオイルが入りその油膜で回転し、金属同士が接触しないようになっています。この油膜の厚さと強さはオイル粘度で決まります。
もし指定粘度より薄い「10W30」や「10W40」などのオイルを入れると油膜が保てずピストンのリング膠着やカムの滑り軸受(メタル軸受け=カムギアブッシング)の摩耗の原因となります。
では逆に「20W50」が指定のハーレーに「20W55」を入れるとどうでしょうか。答えは問題ありません。というより利点が多いと思います。
夏の渋滞時ノロノロ運転や信号待ちしている時、アイドリング800回転以下でオイルタンクの油温が110℃を超えると油圧は「0」になることがあります。これはオイルが柔らかくなりすぎてオイルポンプがオイルを吸い上げられないからで、このままではエンジン内にオイルが回らなくなります。これが「20W55」では油圧10psiを確保でき、より安全になります。
T-BLEND MA2/SL「20W55」は60番に近い50番の粘度があります。油膜の厚さと強さが売りのハーレー用にバイク乗りが開発したオイルです。
結論はハーレーには「20W50」か「20W55」が最適です。