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シール適合性(シール攻撃性)について

ベースオイルとシールの種類で影響は大きく変化!

 

オイルマニアの方から良く出る質問の1つに「シール適合性」があります。「シール攻撃性」とも言い ①シールを収縮(縮める) ②シールを膨潤(ふやかす) の2タイプがあります。

良く言われるのが鉱物油(ミネラル)は攻撃性が少なく、PAOはシールを縮ませ、エステルはふやかすと言われています。ここまでは知っておられる方が割と多いです。ところが実はこんな簡単な話ではありません。ここからがオイルマニア向けの話です。

上記の表はある大手メーカーの資料で240時間経過後のシールの体積変化です。シールの種類とエステル・PAOの種類によりまったく影響が異なっています。たとえばPAOは一般的にシールを縮ませますがこの表ではあまり影響はありません。表ではエステルはかなりシールを膨潤させています。もちろんPAOもエステルもメーカーにより性能はことなります。つまり一概には言えないと言うことです。

ではオイル製造時にシール適合性にどう対応しているのでしょうか。例えば「T-BLEND PURERACING」はベースオイルがPAO100%です。PAOは基本的にシールを収縮させますが、この傾向を中和する「ある添加剤」と組み合わせます。何かは企業秘密ですがヒントは世界的オイルメーカーの超有名オイルと同じものです。わかる方にはこれでわかる上級オイルマニア向けのヒントです。

化学合成油が最初に出た頃は確かにシールによりオイル漏れしやすいものもあったようですが、現在はきちんと対策が取られています。PAOやエステルはオイル漏れしやすいというのは過去の話です。

シールについてはまだまだほんとは深い話もありますが今回はこれくらいで…

 

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