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粘度指数向上剤(VII)の真実 その3 ノンポリマーオイルについて

ポリマー=分子が多数結びついた高分子重合体

 

以前ブログで「高級な粘度指数向上剤使用の方がノンポリマーオイルより優れている」と書きました。今回はその理由について書きます。あくまでも個人的見解です。

ここでクイズです。
第1問 「ポリマー」と言う物質がある
第2問 粘度指数向上剤以外にポリマーは入っていない
第3問 ノンポリマーオイルはポリマー「0」

正解はすべて「×」です。
ポリマー=分子がたくさん結びついた高分子で、粘度指数向上剤(VII)以外に、高粘度PAOや高粘度エステル、流動点降下剤(PPD)、高粘度ベースオイル・増粘剤などいろいろなものにたっぷりポリマーは入っています。

いわゆるノンポリマーオイルとは「ポリマー不使用」でなく、「粘度指数向上剤不使用」で、ポリマーは例えば高粘度PAO・エステル・ブライトストックや流動点降下剤などに入っています。もちろんこれらはせん断します。

具体的にどのようにノンポリマーオイルを作るのかと言えば「×W-30」なら100℃粘度「6」のベースオイル80%に高粘度PAOかエステル「300」を20%入れると、100℃粘度がほぼ「10」で「×W-30」が出来ます。難しいのは低温特性と粘度を両立することです。

「ノンポリマーオイル」を料理に例えると、チャーハンを作る時「食塩」は使用せず、「しょうゆ」や「高菜の塩漬け」などで塩味を付けるようなものです。つまり「食塩不使用」ですが「塩分ゼロ」ではないです。食塩なら塩分量がわかりますがしょうゆや漬物なら塩分量がよくわかりません。

粘度指数向上剤はせん断安定指数(SSI)が出ていてわかりますが、高粘度PAO・エステルなどはせん断安定性がほぼ公表されていませんのでどこまでせん断するか不明です。またどうしてもポリマー量が少ないため多く入れる必要があります。

私はきちんとせん断安定性がわかった高性能「粘度指数向上剤」を出来るだけ少量使用することで ①せん断しにくい ②したがって粘度低下が少ない ③スラッジが少ないのでオイルが汚れない ④だからオイルが長持ちする というノンポリマーオイルがうたい文句としているオイルを製造出来ると考えています。

最後にここに書いたことはあくまでも私見です。「ノンポリマーオイル最高!!」って方はそのオイルがきっとあなたに合ったオイルだと思います。基本的にノンポリマーオイルもせん断を少なくする性能の良いブレンド(フォーミュレーション)になっているはずです。

富士山の山頂は1つですが登山道はいくつもあるってことでしょうか!

 

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