LSPIの性能試験(Seq.Ⅸ)シークエンス・ナイン 超マニア向け!
LSPI性能評価試験をご存知でしょうか?今回は超オイルマニア向けです!
LSPI(ロースピードプレイグニッション)はご存知と思います。直噴ターボエンジンで低速時に起きる非常に激しいノッキングです。エンジンに多大のダメージを与えます。オイルの成分の一部がLSPI発生に大きな影響を与えています。SNPlus規格オイルはこのLSPI発生回数を5回以下に抑えています。
宣伝ですが「MIKADO T-BLEND SNPlus」は上記の表のようにSN規格オイルで24回程度起きるLSPIをなんとほぼゼロに抑えております。(ここがすごい!)
ではこのLSPI性能評価はどのように行われるのでしょうか。ここから超オイルマニア向け記事です。ほぼ誰も知らない「LSPI性能試験」について書きます。
LSPIはSeq.Ⅸ(シークエンス ナインと読みます)と言う試験方法で性能を評価します。この試験はSAE(米国自動車技術者協会)が細かく実施方法を定めています。(詳細は33$で購入可能です)
使用するエンジンはFord社の2012年製・2000CC・4気筒・GDTIエンジンです。可変カムシャフトタイミング、タイミングチェーン駆動のデュアルオーバーヘッドカム、4バルブで電子直接燃料噴射のエンジンです。
このエンジンをテスト用に特別に製造されたガソリンを使用し25分間2000回転⇒25分間4000回転⇒10分間1000回転の順で回します。これをオイル交換時、20時間後、60時間後、240時間後に計測します。ちなみに1回のLSPI試験にかかる費用は約250万円です。合格しなければ再度受ける必要があります。テストはアメリカにある試験機関で公式認定エンジンを使用して行われ日本では出来ません。
余談ですが次期SP規格を通すための7つの試験は合計4000万円かかります!添加剤の開発費は別途です。あくまでも試験費用で、1発合格した場合の最低費用です!
この費用を見ただけでも新規格オイルの独自開発が無理なことがお分かりいただけると思います。そのため弊社も世界最大の総合添加剤メーカーと組んで開発をしています。
「新規格オイルを独自に開発しました」なんてことは残念ながら石油元売会社でも不可能というのがオイル開発の厳しい現実です。