ACEAアプルーバル(認証)オイル その2 シール適合性
2019年11月22日の追加記事です。
アプルーバル(メーカー認証)オイルでなくても適切なACEAオイルで十分と書きました。ではアプルーバルオイルの利点は何でしょうか。大きな違いはエンジンテストを自社エンジンですべてしているということです。例えばVWならVWの、BMWならBMWのエンジンでテストしています。その際どこが一番違うかと言うと「シール(業界ではエストラマーと呼びます)」に対する影響だと思います。
例えばクランクシャフトのフロント・リアやバルブ、オイルパンなどエンジンにはオイルの漏れを防ぐためにシールが使用されています。このシールは代表的な材質だけで4~5種類あり、同じオイルでも材質で影響の出方が異なります。(例としてブログの2019年4月16日の表を見て下さい)そのため自社エンジンに使用しているシール材質の適合性が大事です。これがアプルーバルオイルの良い点と言えます。
ただアプルーバルオイル以外のACEAオイルはシール適合性がないかと言うと、ACEA規格では「CEC L-112-16テスト」で4つの材質のシールに対してテストしシール適合性を確保しています。つまり自動車会社により使用するシールが異なってもすべての材質のシールに対応するよう製造されています。安心して使用出来るようになっています。CMになりますが弊社のACEAオイルは「CEC L-112-16テスト」の4種類にプラスしてシリコン材質も含めた5種類のテストがされています。(そのため日米車にも大丈夫です)
最後にACEA規格オイルはAPI規格に比べて添加剤が約1.5倍入ったとても高品質なエンジンオイルです。
おまけ
最後に超オイルマニアのために「CEC L-112-16テスト」を解説します。このテストは対象オイルと①フルオロカーボン②アクリレート③ニトリル、④エチレンの4種類の材質のシールに対する適合性を判断するテストで各シール試験片の初期特性を測定し、高温のテストオイルに168時間(7日間)浸漬します。体積の浸漬変化と、引張り強度と破断伸びが試験片で計測されます。
さらに詳細が知りたいという超超マニアはCECに3500ユーロ(約42万円)払うとテスト方法が入手可能です(^^;