バイク用規格「MA・MA1・MA2・MB」の違いは? 滑るけど滑らないオイル!
結論から言いますとオイルの摩擦係数(滑りやすさ)の違いです。バイク用オイルの摩擦係数は3種類の試験で計測します。上記の表で右へ行くほど摩擦係数は上がります。「MB」は摩擦係数が低くスクーターや原付に使用されます。MAは摩擦係数が高めですが、その中でもより摩擦係数が高い「MA2」と低めの「MA1」に分かれます。
ハーレーや国産大型バイクなど「MA」指定の高性能バイクには「MA」より「MA2」を使用した方がより摩擦係数から見てより安心です。
バイク用オイルで摩擦係数が重要な理由は、バイクではエンジン以外のミッションや湿式クラッチも同じオイルで潤滑するためです(原付など一部例外あり)。エンジンはきれいに滑らないといけませんが、クラッチは滑ると困ります。この相反する性能を両立させるためバイク用のオイルでは摩擦係数が厳しく管理する必要があります。ある意味自動車用オイルより開発が難しいです。
つまりバイク用オイルは「滑るけど滑らないオイルです!」
オイルマニア向けのおまけ
JASO-T903規格に合格するにはまず①API「SG~SN」②ILSAC「GF1~GF3」③ACEA「A1/B1,A3/B3,A3/B4、C2,C3,C4」のいずれかに相当する性能が前提として必要です。
つまり「API等の前提となる性能」+「JASO-T903に規定された摩擦係数の範囲内」で初めてJASOバイク用エンジンオイルとなります。