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有機モリブデン 使用上の注意! その1 APIの範囲 

モリブデンは古くからある添加剤で、とても良く効きます。今も高性能オイルに多用されています。あのT社の最新レーシングオイルにも高濃度に使用されています。とても素晴らしい添加剤ですが、意外と使用上の注意を知らない方が多いのでマニア向けに書いてみます。今回はAPI規格とのリン・硫黄規制との兼ね合いです。なぜこれが必要かと言えば触媒を傷めるからです。

まず有機モリブデンには大きく分けてMoDTCとMoDTPとMoAmn(モリブデンアミン)があります。
有機モリブデンを使用する場合、注意が必要なのはAPI規格ではリンと硫黄の最大使用量がありその範囲に収める必要があります。MoDTPにはリンと硫黄が、MoDTCには硫黄が入っています。

リンの計算例)
DIパッケージ リン(P)量 0.6%
DIのトリートレート(ブレンド量) 10% 
計算 0.6%×10%=0.06%
結果 API上限値0.08%まであと0.02%となります。使用するMoDTPのリン含有量が1%ならMoDTPは2%添加が限度です。

これが1つめの注意点です。(API規格を無視するなら可能です。レーシングオイルは規格外です)ここでリン(P)が含まれていないMoDTCを使用するとリン量はクリア出来ます。(硫黄量は別に同じ計算が必要)

あとモリブデンアミンには摩擦低減効果がほぼなく、酸化防止剤として使用します。DIパッケージに少量入っているのは多くはモリブデンアミンです。使用上の注意は「その2」に続きます。

モリブデンは劇薬です。「使用上の注意をよく読んで正しくお使いください」!

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