有機モリブデン・MoDTCの使用上の注意! その3 最適濃度は?
3回目はモリブデン濃度です。モリブデンの最適な濃度とはいくらでしょうか?入れすぎるとスラッジとなり悪影響が出て、当然少なすぎると効きません。では最適濃度はどれくらいでしょうか。
マニアの皆さんが一番気になることですが調べてもどこにも書いていないと思います。経験的にある程度わかっていますが、当然企業秘密です。
そこをなんとか聞きたいのがマニアですから、少しだけお教えします。私見ですが、経験的にモリブデン濃度が50PPM程度ではあまり体感しませんが酸化安定性は増します。濃度が100PPM位からエンジンが静かで滑らかになり効果がわかります。濃度を上げるとさらに効き目が早く出ますが当然オイル原価も上がってきます。さらに濃度を上げるともともと相溶性が悪いため(MoDTCはオイルと混ざりにくい)分離したり沈殿したりしてきます。
レーシングオイルでは相溶性を上げる特殊な添加剤を使用し無理やり数千PPMまであげますが、これはフリクションを徹底的に下げることで、吹き上げりと最高速を伸ばすためで、市販車には絶対お勧めできません。
実用的な最適濃度はこれというのはありませんが、多分100~500PPM程度がコストも性能もオイルの安定性も含めて良いのではないでしょうか。ちなみにモリブデン入り高級オイルでも100PPM程度のものが多いです。これ以上の濃度はかなりの知見を持って開発・製造しないと、逆にデメリットが大きくなります。
モリブデンは「劇薬」です。「使用上の注意をよく読んで正しくお使いください」!!