T-BLEND SP規格の性能 その2 タイミングチェーン摩耗対策
現在新車のエンジンの約80%はタイミングチェーン(以下チェーン)です。以前のタイミングベルトが約10万㎞しか持たなかったためです。
この金属チェーンは小さな金属部品の組み合わせで出来ていますが、オイル中のスラッジやカーボン等がチェーンを摩耗させ時間とともにチェーンが伸び、バルブタイミングを狂わせ空燃費異常や異音の原因となります。このチェーン摩耗を少なくすることがSP規格の大きな目的です。
SP規格ではチェーンの伸びを「0.085%以下」にすることが要求されます。
チェーン摩耗は「Seq.Ⅹ」テストで計測します。これはフォードの2Lエンジンを216時間、つまり丸9日間回して、初期の状態からの伸びを計測します。これは時速50Kmで走しれば約10000Km走行と同じとなります。
T-BLEND SP規格オイルでは「0.085%の伸び」に対して、低粘度で非常に摩耗しやすい0W20でも規格より約10%優れた「0.079%以下」、5W30では20%優れた「0.068%以下」までチェーン摩耗を減少させます。
規格に対して10%、20%とわずかの優位ですが愛車を10万㎞、20万㎞と乗り続けた時に大きな差となります。
なおチェーン摩耗対策が取られていないSN規格では標準的なオイルでこの2倍以上の「0.15%程度」の摩耗が起きています!
びっくりさせますが、「一般的なSN規格5W30」は「T-BLEND SP 5W30」の2.2倍チェーンが摩耗します。長く乗り続けるとわかる「T-BLEND SP」規格の渋い性能です。