ACEA規格とSP規格はどちらの性能が上か?
最近、欧州車オーナーの方から「ACEA規格」オイルと2020年5月に出た「SP規格」オイルのどちらが良いかというお問い合わせがよく来ます。また今乗っている欧州車にSP規格は使用出来ますかという質問もよくあります。
SP規格が優れている点はLSPI・チェーン摩耗対策がきちんと出来ていることです。現在のACEA規格(ACEA2016)にはそもそもこのテスト項目がありません。そのため現在ACEA規格でもLSPI・チェーン摩耗対策を進めており2020年秋から冬、遅ければ2021年に制定される予定です。(仮称ACEA2020)
欧州車オーナーがSP規格を使用されたい理由の1つは欧州車の一部でタイミングチェーン摩耗が多いみたいで、チェーンの伸びや異音を気にされている方が多くおられます。ひょっとしたらチェーンの材質や構造に何か問題があるのかも知れません。
このチェーン摩耗対策だけで見るとSP規格が最適なのですが、ACEA規格オイルは、エンジンを保護する添加剤の量が多く、粘度指数向上剤も高性能で、高温での油膜も強く耐摩耗性能などエンジン保護にすぐれたちょっと贅沢な規格となっています。その点がSP規格より優れています。
ACEA規格を「サッカー」に、SP規格を「野球」に例えると「Jリーガー」と「プロ野球選手」どちらが優れているか聞かれても答えにくいです。ただ「サッカー(欧州車)」をするなら「Jリーガー」をお勧めします。
結論としては、欧州車にはトータル性能で見てやはりACEA規格オイルの使用をお勧めします。
おまけ
ACEA2020に採用されるLSPI性能とチェーン摩耗対策はテスト方法がSP規格と同じです。そのため現在「ACEA2016」「SP規格」両規格に合格するオイルの開発を検討中です。うまく完成すればサッカーも野球もどちらもこなす万能選手になります!!