「ACEA C3」を「DL-1」指定車に使える? 性能比較
「ACEA C3」を「DL-1」指定車に使用出来るでしょうか?模範的な答えは「きちんと指定のオイルをご使用下さい」と思います。でもこれなら誰でも言えます。
プロとしてオイルの性能面から見ると「DL-1指定車にC3を入れるのはOK」「C3指定車にDL-1を入れるのはNG」です。
以下がその理由です。上記の表を見て下さい。まず過酷な状況下でもエンジン摩耗を防ぐHTHS粘度は「C3」は3.5以上で「DL-1」の2.9以上よりはるかに優れています。つまり「C3」の方が断然エンジン保護性能が優れています。ただ少しだけ燃費が落ちます。
問題がDPFのつまりですが、SA(硫酸灰分)の量は「DL-1の0.6%以下」に対して「C3は0.8%以下」と少し多くなります。多くの人はSA量がやや多いのでDPFを長期的に見ると詰まらせやすいと考えます。
理屈ではそうですが現実的には一番DPFを詰まらせるのはグループⅠ(鉱物油)ベースオイルに含まれる不純物です。SAの影響はありますが実はあまり大きくありません。逆にSA量が多い方とエンジンの清浄性が向上します。
一番DPFに良くないのは「グループⅠ(鉱物油)オイル」次が「グループⅡ(鉱物油)オイル」でその次は「部分合成油(グループⅢ+鉱物油)です。「DL-1規格」オイルには鉱物油のものが多いです。「ACEA C3」はすべてグループⅢ(合成油・VHVI)です。これが大きな理由です。
そもそも「ACEA C規格」はDPF対応オイルとして開発されています。(DPF対応トラック用DH-2のSA量は1%以下とACEA C規格よりさらにSA量が多目です)
結論は「DL-1指定車」に「ACEA C3」を入れるのは大丈夫と思います。総合点では「ACEA C3」の方が優れていると考えます。ただし逆は絶対にダメです!
おまけ グループⅠ鉱物油のDPFへの非常な悪影響はほぼ知られていません。ある理由があり内緒にされている真実です。これがわからないでSA量だけの影響を見ていると答えを間違えます。