冬のハーレー キックスタートを科学する! シングル50
外気温(油温)によるオイル粘度の変化
今回はハーレーのキックスタートとオイル粘度について科学します。
冬場キックスタートはつらいです。もちろんセルモーターも重いです。オイルは冷えると粘度が急激に上昇するからです。
ハーレーのマニュアルには「純正シングル50」は外気温10℃で始動性が悪い(POOR)と書かれており、気温16℃以上で使用して下さいと記載されています。弊社で調べた限り「オイルの粘度が2000以下」がキックスタートの限界と思われます。セルスタートも重くなります。誰でも簡単にキック出来るのが「オイル粘度1500」で、かなり重いけどなんとかが「粘度2000」ここから上は体重が100キロ以上でテクニックがある人だけの世界かも知れません。もちろんそれも楽しく自慢になるのがハーレーですが…。
ではシングル50ではなくマルチグレードオイルを使用するとどう変わるでしょうか。
上記のグラフは「MIKADO T-BLEND」のハーレー用オイル3種類の気温別粘度です。気温10℃でシングル50は「約2000」です。つまりシングル50は気温10℃でスタートはかなり大変になってきます。しかしマルチグレードの20W55や20W50では同じ10℃でも粘度は半分の「1000」以下で楽にキック出来ます。
オイル粘度が「2000」となるのは「シングル50では10℃」「20W55では0℃」「PREMIUM 20W50ではマイナス5℃」です。マルチグレードを使用すると寒冷時のスタートが楽になります。また高温時の粘度もマルチグレードの方がシングルより高くなりエンジン保護に有利です。
キックがしんどくなってきたら参考にして下さい。