固体潤滑剤とは その1 欠点もあるが利点も大きい
摩擦低減剤(FM剤)には液体以外に固体の潤滑剤があります。今後数回に分けてこの「固体潤滑剤」を取り上げたいと思います。
固体潤滑剤には素晴らしい利点とちょっとした欠点があります。それを見極めてうまく使用するとすごい性能があります。代表的な固体潤滑剤をグラフにまとめてみました。もちろん同じ物質でも粒子の大きさや揃い方、分散剤の性能などで性能は変わるので参考程度で見て下さい。
固体潤滑剤の利点としては①低温から高温まで効果が出る点です。固体でない有機モリブデンや有機チタンなどは熱で変化しないと効果が出ない温度依存性があり、低温では効果があまり出ません。しかし固体潤滑剤はそのままで最大の効果が出ます。②固体潤滑剤は速攻で摩擦低減・摩耗防止効果が出ます。液体のものは効果が出るまでに一定の時間がかかります。
逆に固体潤滑剤の欠点は①オイルに色が付くことと②ある程度の沈殿が起きること(効果はかわりません)です。
つまり、オイルの色が真っ黒または白くても気にしなくて、使用前に良く振って使用すれば非常に優れた効果を発揮するのが「固体潤滑剤」です。
次回以降はそれぞれの「固体潤滑剤」を詳しく見ていきます。お楽しみに!