旧車にはどのオイルが最適? その2 規格と性能
今回は旧車用オイルの2回目です。1回目は製造年式当時のオイル規格を見ました。ではその規格を使用するのがベストでしょうか?答えは「NO」です。理由は古い規格のオイルを使用するとエンジン各部の摩耗が早いからです。
例えば「ベアリング摩耗」はベアリングの摩耗による重量減で表しますが「SB規格…500mg以下」「SF規格…40mg以下」「SP規格…26mg以下」とSBはSPの約20倍、SFでもSPの1.5倍も摩耗します。他のエンジン各部も同じです。新しい規格のオイルほどカムやベアリング、チェーンなどテスト項目が増えかつ摩耗量は減少します。昔のエンジンは10万キロが寿命と言われたのはエンジンの材質・加工精度とエンジンオイルの性能不足です。エンジンの材質等は変えられませんがエンジンオイルは最新を使用出来ます!現在SJ~SPまで市販されていますが最新規格の方が性能は上です。製造にあたってもSPはSJの1.5倍程度の添加剤を使用しています。以上の理由で旧車にも最新「SP規格」をお勧めします。
ただ旧車は現在のエンジンより材質などで摩耗に弱い点があります。そのためここからは私見ですが摩耗に弱い点を考えると①「SP規格使用」にプラスして ②「粘度は指定粘度より1つ高粘度(10W30なら5W40/10W40)」を使用 ③「追加でさらに摩耗を防ぐ摩擦低減剤(FM剤)を添加」するのがお勧めです。
③については多層フラーレン添加剤や有機チタン・MoDTCなどが、触媒未装着ならMoDTP等も効果的です。なお粘度を1つ上げると摩耗減少以外に圧縮もより保持でき、かつオイルべりも減少します。ちなみにT-BLEND SP規格では5W40/10W40(合成)・15W50(部分合成)という高粘度オイルがあります。
次回は旧車には「鉱物油」が良いのか「合成油」が良いのかについてです。シールなどの適合性です。お楽しみに!