摩擦低減剤 PTFE(テフロン)が使用出来なくなる?
摩擦低減剤(FM剤)のPTFE(テフロン)が2021年秋からほぼ使用出来なくなります。
理由はPTFEに含まれているPFOA(ペルフルオロオクタン酸)と呼ばれる有機フッ素化合物が問題です。PFOAは現在、オイルの摩擦低減剤、衣類の撥水剤・つや出しや塗料、フライパンのテフロン加工などに使用され水や油をはじき汚れを防ぐ働きがあります。簡単に言うとなんでもつるっとさせます。
しかし免疫力低下、ガンや未熟児等の原因となる可能性があり、人体に有毒で体内に長く蓄積され、自然界で分解されにくいため今年の2021年10月22日から化審法の指定物質となり一部例外を除き使用出来なります。
実はPTFEとPFOAは構造が似ており、PTFE製造時に一緒に出来てしまいます。現在「PFOA不使用の環境適合タイプPTFE」や「炭素数が6個のPTFE(通常は8個)」等が新しく開発されているようですが非常に高価でコスト面から厳しそうです。またオイルの摩擦低減剤で使用する際当然PTFE+PFOAで性能を見ておりPFOAを含まないPTFEの性能はあまり知見がありません。そのため基本的にはエンジンオイルやグリスも含めて潤滑油に使用することは難しくなりそうです。
摩擦低減剤は昨年の窒化ホウ素の製造中止に続きPTFEの規制で変化が起きています!
注)化審法とは有害な化学物質による人体への悪影響や環境汚染の防止を目的とした日本の法律です。