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DLCについて その2 DLCとオイル添加剤 

DLCの2回目はオイルに含まれる添加剤とDLCの関係です。DLCをエンジンのしゅう動部にコーティングする理由は低摩擦化と耐久性向上にあります。低摩擦化については他の添加剤との組合せが大切です。これまでオイルの添加剤は金属素材(主に鉄)に対して効果を発揮するように開発され使用されて来ました。しかしDLCコーティングは金属系でなく炭素のため従来の添加剤では効果が出なかったり異常摩耗の原因となったりします。今回は主なオイル用添加剤とDLCについて記載します

 無灰系FM剤+DLC

DLCの中で「ta-C」と「無灰系FM剤」の組み合わせで摩擦係数が0.03程度まで下がる「超低摩擦現象」が報告されています。ただ同じDLCでも「a-C:H」では超低摩擦となりません。私見ですがta-Cは極性基が吸着し反応膜を作るのに対してa-C:Hでは水素が結合の終端につくため極性基が結合しにくいからではと思います。

 ZnDTP(ZDDP)+DLC

ZnDTPは多くのオイルに使用されています。金属表面に亜鉛(Zn)と鉄(Fe)の反応膜を形成します。金属には絶大な効果がありますがDLCとの組合せでは摩擦低減効果が「ある」と「ない」の両方の研究結果が出ています。これはDLCの水素含有量や添加元素(ドープDLC)により、またZnDTPの鎖長や構造(直鎖・分岐)により効果が異なるようです。

 MoDTC+DLC

金属しゅう動面に抜群の効果があるモリブデンMoDTCですがDLCの「a-C:H」に対して異常摩耗を引き起こすことが多く報告されています。DLCに対するオイル添加剤の影響で一番問題となっています。原因としていくつか考えられますがまだ完全な結論は出ていません。

次回はこのモリブデンによるDLCの異常摩耗について詳しく書きたいと思います。

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