2021年8月~9月 オイル業界のオイル切れ! その4 コンポーネント問題
概況 ベースオイル
2021年6月には最悪の状況にあったグループⅢも7月以降順調に入荷しています。これは世界最大のグループⅢ製油所の定期修理が予定通り6月25日に無事終了したことが貢献しています。
定期修理なら予定通り終わって当然と思いがちですが大規模な石油精製プラントでは修理や改修が終わり製造を再開しても想定した性能が出ないとか順調に稼働しないとか最悪は火災発生などさまざまな初期トラブルが起こるので油断出来ません。
ベースオイルはほぼ大丈夫ですが今後もコロナの影響からくる世界的な原油精製量の減少で慢性的な不足は続きます。今後も緩い数量規制が続き一部のベースオイルではやや不足が続いています。
今後の問題点は価格でこれまでと違う次元の問題が起きそうです。詳細はお伝え出来ませんが世界と日本の価格差とだけお伝えしておきます。
概況 自動車用添加剤
パッケージタイプの自動車用添加剤は順調に入荷していますがいくつかのコンポーネントで不足が出ています。今年2月のテキサス大寒波の影響によりここで製造されている重要な原料が不足しているため多くの添加剤に影響が続いています。(多分2021年の年末位まで続きそうです)
半導体不足でさまざまな自動車の生産が止まるのと同じ理由です。つまり自動車製造(パッケージ)優先のため、半導体単体(コンポーネント)の販売が後回しと言う感じです。自動車用オイルはほぼパッケージを使用しているためこの影響はコンポーネントを主に使用するグリス業界や工業用潤滑油で大きく出ています。
おまけ パッケージとは業界用語で清浄分散剤・酸化防止剤・消泡剤・防錆剤など多くの添加剤をセットにしたもので、これに対してコンポーネントは単体の添加剤です。