JASO GLV-1 0W-8/0W-12 超低粘度オイルの今後について
2019年10月に世界に先駆けて日本で制定された超低粘度(0W-8、0W-12)オイル規格「JASO GLV-1規格」がスタートして2年が経ちました。GLV-1規格について簡単に振り返ってみます。上記の表はGLV-1の100℃粘度と150℃HTHSを一覧にしたものです。比較のために0W16と0W20も記載しています。
0W-8、0W-12という超低粘度オイルは省燃費競争が異常?に過熱していた日本で2013年に一部車種で新車向けに使用されました。個人的にはカタログデータを良くするためのあまり実用性に乏しいオイルと思っていました。世界で日本にしかない超低粘度です。現実にディーラーでも初回オイル交換時にだまって0W-20に入れ替えていた工場が多かったと聞いています。(あくまでも個人の感想ですが…)
その後日本の自動車会社が中心となり2019年に超低粘度オイルの必要性能が決定しGLV-1規格が制定されました。翌2020年からGLV-1規格合格オイルが順次出回るようになり、2021年現在中国市場にホンダが投入し多分これが日本以外での最初の使用と思います。
今後2022年~2023年頃北米市場にも日本車向けをメインにGLV-1規格が投入されると予想されています。
欧州車向けACEA規格ではエンジン保護を大切にしており基本的に高粘度オイルを使用しているため2021年現在も0W-20が一番低い粘度規格です。ただ今後2022年に0W-16(HTHS2.3以上)、2025年に0W-12(HTHS2.0以上)が出ると予想されています。但しまだ予定で確定ではありません。
最後に0W-8や0W-12は省燃費性能には優れていますがこの粘度が指定の特別なエンジンでないと使用出来ません。0W-20や5W-30が指定のエンジンには絶対使用しないでください。
おまけ
トヨタのHPに0W8は0W-16と比較して燃費が約0.7%向上と記載されています。と言うことは0W20との比較では燃費の伸びは1%程度と思われます。この程度であれば個人的には最低でも0W20を使用したくなります。省燃費とエンジン保護はなかなか両立が難しいためです。