意外ですがオイル業界と化粧品業界は非常に近い業界です。実はオイル用添加剤を製造している会社の多くが化粧品用添加剤を製造しています。と言うより売り上げから見ると添加剤会社は化粧品がメインでオイル用が副業かも知れません。この前までお付き合いしていた添加剤会社の方が気付けば化粧品会社に転職ということも何度かありました。

例えば口紅は私から見るとほぼグリスです。グリスはスポンジにオイルを染み込ませたようなものでスポンジ状物質10％にオイルが80％～90％含まれあと数％程度の添加剤とで出来ています。口紅は同じようにスポンジ状またはカードハウス構造のワックスで出来た構造が10％位でこのすき間にオイルが70～80％、さらに口紅の色素（つまり添加剤）がはいり出来ています。つまり口紅とグリスはすごく似ています。

さらに肌を整えてきれいに見せるファンデーションは私からすると摩擦低減剤（FM剤）です。ファンデーションはタルク（滑石）の粉に窒化ホウ素やポリマー樹脂が入り、着色料には酸化チタン等が使用されます。そしてお肌の上に層状構造をつくります。まさにモリブデンが金属表面に層を作るように、固体潤滑剤の層でお肌をきれいに見せてさらに保護します。

また口紅は唇の、ファンデーションは肌の、シャンプー・コンディショナーは髪の摩擦係数を計測し評価しています。オイルは車の「乗り心地」を、化粧品は「使い心地」を追求しています。本当に似ている業界です！

おまけ　添加剤会社からするとオイル用添加剤はもうけが少ないそうです。同じ添加剤を化粧品会社に売れば何倍にもなるそうです。数年後にはオイルと共にT-BLEND化粧品を販売しているかも知れません…汗