ギアオイル その4 ギアオイル粘度規格の変更 超マニアック情報
ギアオイルの粘度規格「SAE J306-2005」は2019年2月に大きな変更があり「SAE J306-2019」となりました。今回はほぼ誰も知らない超マニアックな内容です。
粘度変更の理由は簡単に言うと省燃費対策です。これまでの規格では省燃費ギアオイル、つまり低粘度のギアオイルを適切に定義出来ませんでした。例えば「75Wで100℃の粘度が6.0」のオイルは従来規格で「80」番の最低粘度である7.0以下のため「75W」と表記するしかありませんでした。これが新規格「J306-2019」では「75W70」ときちんと定義し表記できます。従来の「75W」は新規格では「75W65」「75W70」「75W75」の3種類となります。粘度規格をすぐに切り替えると混乱するためしばらくは従来の規格が使用されますが今後は時間をかけて徐々に新車モデルチェンジ時に新規格になると思います。もちろんこれまでに販売されている車の指定ギアオイルは変更となりません。
もう1つの問題は80番の粘度幅の変更です。従来の80番の100℃粘度の7.0~11.0が新規格では8.5~11.0となります。従来の80番は新規格では75番・80番のどちらかになります。正確には代表性状の100℃動粘度で判断する必要があります。
現在市販されているオイルはJ306-2005に基づき製造されています。新規格への切替はまだかなり時間がかかりますがいつかは変更されます。その時は旧規格、新規格どちらに基づいて製造されたか判断が必要です。その際は上記の表の粘度を見て判断して下さい。
最後に今回のブログは近い将来混乱が起きそうなことについて書きました。非常にマニアックでわかりづらいと思いますがギアオイルにも低粘度規格が出たと言うことだけ覚えておいてください。