多層フラーレン構造二硫化タングステンについて その2 極圧性能
2回目は多層フラーレン構造二硫化タングステンの最大の特徴である極めて優れた極圧性能(耐荷重性能)について書きます。極圧性能とは金属同士がガチガチぶつかり合う「境界潤滑」状態で力を発揮し摩耗を防ぎます。
上記表は代表的な添加剤が最大どれだけの荷重や圧力に耐えられるかの性能でモリブデンと比較しても圧倒的な性能差があります。ちなみに多層フラーレン構造二硫化タングステンの耐荷重性能の35000Mpa(35Gpa)とは1㎝×1㎝の上に約350トンがのっても大丈夫と言うことでボーイング777ジェット機を1機、世界最大のアフリカゾウなら50頭のせても大丈夫です。さらに戦艦大和なら43㎝×43㎝で支えます!
なお「二硫化タングステン」と「多層フラーレン構造二硫化タングステン」は元素記号が同じWS2ですが構造と性能が全く異なります。例えると同じ炭素Cで出来ている「炭=カーボン」と「ダイヤモンド」が異なるのと同じです。
今回は極圧性能の優秀さを書きましたが次回はギアオイル等に使用される極圧剤とどう違うのか、なぜエンジンオイルに極圧剤が入っていないのかについて書く予定です。「そうだったのか!」と驚かれる内容と思います。お楽しみに!