多層フラーレン構造二硫化タングステン その4 欠点はないの?
「極めて高い極圧性能」+「金属を傷めない」+「適用温度帯を選ばない」+「素材を選ばない」+「即効性」という優れた性能がある多層フラーレン構造二硫化タングステンですが、欠点や弱点はないのでしょうか?
残念ながらいくつかあります。まず色相です。これでもかという位真っ黒です。あまりにも黒いためオイルの製造ラインや充填ラインを使用した後、洗浄をしても真っ黒になり使えません!そのため弊社では本当はオイルに添加して高性能オイルとして販売したいのですが色の関係で添加剤「T-BOOST」として販売しています。
次に価格が非常に高価です。多層フラーレン構造二硫化タングステンを製造出来る設備は現在世界で1カ所だけであまりに高いのと入手が難しいためこれまでは原子炉や大型発電機、軍需、鉱山用超大型トラック、宇宙航空産業など、どれだけ価格が高くても性能重視の分野でのみ使用されていました。例えば戦場のど真ん中で戦車のエンジンが焼け付くとそれは悲惨です!こういう場所にとても向いています(汗)
さらに固体潤滑剤のため、オイル中にきちんと分散する加工をして配合していますが、沈殿する可能性が「0」とは言えません。弊社では1年間保管テストをして目に見えるような沈殿は起きていませんが、1年を超えて保管をした場合、念のため振って使用して頂くことをお勧めします。
最後は欠点とは言えないかも知れませんが難しいのが添加量です。多層フラーレン構造二硫化タングステンの濃度はこいほど効果が上がるのではなく適正濃度があります。経験とノウハウが必要な部分です。
これらの欠点がありますがそれ以上に他の添加剤にはない性能があるのが多層フラーレン構造二硫化タングステンです。