2022年7月 オイルの値上げがさらに続く理由 あとギアも…
石油製品の値上がりが止まりません! 2022年7月現在の非常に厳しい状況をお伝えします。
石油元売り各社は毎月潤滑油の価格改定をしますが7月は20円/L弱程度のUPです(某貝印は別の原因で例外)。意外と低いなと思ったそこのあなた!それは違います。1月からの通算で75-95円/L程度、直近の5~7月でも40-50円/Lも上がっています。(元売り以外は3ヶ月毎などまとめて価格改定が多いと思います)
急激な値上がりの原因は、ご存知のようにウクライナでの戦争による混乱と最近の円安です。円安は原油や添加剤などがほぼ輸入のため、2021年の1ドル110円が135円になるとこれだけで約23%輸入価格が上がります。さらに詳しく書くと ①ベースオイルの高騰(7月から30-40円/L UP) ②添加剤の高騰(直近だけで20-30%UPで次の値上げ通知あり) ③ドラムやペール缶などの資材の高騰 ④輸送コストの上昇 などです。書くだけでしんどくなります。ちなみに食用油でも日清オイリオは昨年4月以降6回目の値上げ通知で7月からまた大幅に上がるようで、食用油は1年で40%程度値上がりしている感じです。(そのため嫁より生活費の大幅値上げを要求されています)
あと、最近ガソリン価格は高値なりに落ち着いている感じですがそれは政府の補助金が出ているからで、補助金がなければレギュラーガソリンで210円をかるく超えるはずです! 岸田首相、オイルにもぜひ補助金をお願いしますm(__)m
最後にこれも悪いニュースですがギアオイルの不足は6月末現在改善していません。というよりさらに悪化している感じです。工業用ギアオイルでより深刻な影響が出ている感じです。北米では最近別の不足の可能性がありその影響を今から心配しています。(あえて内容は書きません) 価格高騰と供給の安定確保への心配で夏の暑さのなかで毎日冷や汗をかいています!
おまけ
今年4月末インドネシアが突然パーム油の輸出を禁止しました。結局1か月後に輸出は再開されましたがこれにはかなりあせりました。実はインドネシアは世界のパーム油(アブラヤシ油)の60%を生産しており、食用油やマーガリン・化粧品の原料ですが、パーム油は実はオイルの油性剤の原料にもなります。これが有機エステルです。パーム油などから製造される油性剤は摩擦低減剤として省燃費オイルになくてはならない存在です。オイルの世界は意外なところでつながっています!