2022年7月 ギアオイルの現状と今後の予想 業界裏話
今はGAFAですが…
2022年7月現在ギアオイル不足はまだ解決していません。ただ私の目からは土砂ぶりの中に少し明るさが見えてきた感じもします。ここからは個人的なつぶやきとしてお読み下さい。
☆石油元売りの状況
2021年10月末から続く石油元売り各社のギアオイル出荷制限は現在も続いています。正確には前年実績に応じた割当出荷ですが新車の初充填油が優先のため一般市場向けは少なめです。6月初めに某元売り(1社)が出荷を再開しましたが、発注が殺到しすぐに再停止しました。このような状況から元売り各社はギアオイル製造が100%元に戻り、さらに在庫の積み増しが出来るまでは完全な再開は難しそうです。ただ少し明るさが見えてきたのはアメリカ製ギアオイル用パッケージの製造がかなり正常になりつつあることです。予想では8月位にかなり回復し、その添加剤が船便で日本に入荷する年末から1月位から日本でのギアオイル製造が回復していくのではと予想しています。もちろん逆に言えば秋や初冬はまだ厳しいと言うことですが…。
☆最近の問題
最近になって急に不足感が出てきたのが75W90です。75W90は80W90に比べて製造が難しいギアオイルで、高性能ベースオイルと高性能パッケージ添加剤が必要ですが、やはりこの高性能パッケージ添加剤が不足しています。80W90は今後徐々に回復という感じです。
☆ギアオイル不足で見えてきたこと
これまで元売り各社がオイルを切らすなど考えてもいませんでした。しかし昨年の高粘度オイルの欠品騒動と今回のギアオイル等の欠品や出荷制限を考えると安定供給という神話が崩れてきた感じがします。元売りの供給不足分は輸入ギアオイルと専業オイルメーカー製造分でかなりカバーした感じがします。今後製造面からも、流通面からもいろいろな潮流が変わるかも知れません。
おまけ
私見ですがいろいろな問題の伏線にモービル・エッソ・シェルなどの外資系石油元売りの日本からの撤退が影響している気がします。ワールドワイドに深く裏面まで物事を見る世界的資源会社の重要な情報が少なくなっている気がしてなりません!
おまけ2
外資系石油会社で思い出しましたが、私が学生の頃は「セブンシスターズ」と呼ばれる7つの石油会社が世界の石油を支配していました。この言葉を知っている人はもう少ないですが、今の「GAFA」(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)よりもさらに世界の政治と経済を動かしていたと思います!