ILSAC次期規格「GF-7」の開発状況 ほぼ世界一早いレポート!
今回は超マニア向けの超先取り情報です!
2020年5月にリリースされたILSAC「GF-6 SP」の次の新規格「GF-7 SQ(仮称)」は現在各自動車会社(GM、フォード、クライスラー、トヨタ等)からオイルの新規格への要望がまとまりつつあります。これがまとまれば「GF-7 NeedsStatement(ニーズステートメント)」が出され、潤滑油会社、石油会社、添加剤会社、自動車会社で開発がスタートします。2022年8月現在このニーズステートメントが決定する寸前です。主な内容がある程度わかってきましたのでレポートします。今回のブログは今年6月29日にシアトルで開催されたAPI会議の内容に基づいています。
「GF-7」の要点は下記の通りです。
- シークエンス(以下Seq.と省略)Ⅸ LSPI防止性能はGF-6では新油のみ合格すればOKでしたが、GF-7では新油+使用油の両方に合格が必要
- Seq.Ⅵ 省燃費性能のさらなる向上
- NOACKテストの改善 現在のNOACKテストの結果が現実のオイル消費量と合わないため実際のオイル消費量に合うように計測温度などテスト方法を変更
- SAPS量の見直し GPF(ガソリンパティキュラーフィルター=排ガス処理装置)の普及などに対応して現在最大0.9%まで添加できるSA(硫酸灰分)の上限量の再検討
- GF-7で0W12や0W8の超低粘度規格の追加を検討(GF-6は現在0W16までで追加を検討中)
- エラストマー(シール)テストの追加 新しいシール材料の開発にともないテストするシールの種類の増加を検討
- Seq.ⅢHの改善 高温酸化安定性テストの改善
などで、これまで通り後方互換性(バックワードコンパチビリティ=以前の規格が指定の車にも使用可能)は確保される予定で新規格GF-7は現在の予想では2027年1月リリース予定です!
今回は超マニアックな新規格の開発状況をほぼ世界一早くご紹介しました。新規格で何が変わるのかを知ることは今の「GF-6」に何が不足しているかを知ることにもなります。本当はもっと詳細に書きたいのですが1項目だけでページが埋まるため今回は概要となります。
2022年8月18日追記
新しく入った情報では現行規格「GF-6 SP」に0w8、0w16を追加する方向のようで意外と早く追加される可能性があります。詳細は近日中にブログで書く予定です。