ベースオイル 種類による油膜の厚さと耐熱性
下記の表はベースオイルの種類による油膜の厚さの違いです。この表を見るとグループⅠ・Ⅱの鉱物油は油膜が厚つく、鉱物油の方がエンジン保護に優れていると思えますが実は違います!
その理由は下記の図を見て下さい。左が合成油で右が鉱物油です。鉱物油は大粒から小粒まで混じっているので計測すると油膜が厚く見えますが実際は、圧力がかかると鉱物油は支える粒子が少ないため弱いですが、合成油は多くの粒子で支えるので強い油膜となります。また油温が上がると鉱物油の軽くて小さな粒子はすぐ蒸発してしまい、逆に重い粒子はタール状の汚れとなりエンジン内にたまります。
そのためベースオイルの耐熱性にも下記のように差が出ます。鉱物油は耐熱性がかなり悪いことがわかります。
つまり鉱物油は見かけの油膜は厚くてよく見えますが、実際は粒子がそろっている合成油やPAOの方がベールオイルとして優れています。だからこそ高性能オイルはグループⅢやPAOで製造されます。
おまけ 1970年代くらいまでの旧車には鉱物油が良いと言う方がおられます。これは当時のシールがコルクや厚紙のため毛細管現象でオイルにじみが起きるからです。毛細管現象に対しては鉱物油の大きな粒がすき間を詰めてもれやにじみを減らす効果があります。ただこれ以外の性能は合成油が優れています。