SP規格0W-8、0W-12が正式決定 超低粘度規格がでた理由
2023年10月にAPI(EOLCS)から「SP規格に0W8と0W12という超低粘度オイルが登録可能になりました」という案内メールが来ました。
今回はこの「SP GF-6 0W8」や「SP GF-6 0W16」について書きますが、このオイルはハイブリッド車向けの省燃費オイルです。
エンジンオイルは低粘度になるほどエンジン内部での抵抗が少なく燃費が伸びます。水あめや、はちみつの中でスプーンを動かすと重いですが水中なら軽るく動くのと同じで低粘度化が省燃費につながります。ただ低粘度化すると油膜がとても薄くなるためエンジンにちょっと負荷がかかるだけで金属同士がガンガンぶつかりエンジンが摩耗します。そのためこのオイルはハイブリッドのように一定の回転数(しかもあまり高回転でない)で使用するエンジン用にしか使えないオイルです。
今ハイブリッド車があらためて注目されているのは、地球温暖化防止のためCO2削減がとても大切ですが、車の製造から廃車までのトータルでみると実はCO2排出量はエンジン車とEV(電気自動車)で18%程度しか変わりません。これはEV車の方が製造時に大量のCO2を排出するからで、さらに電池などの問題もあり、ハイブリッド車が現時点で一番優れた解決策ではと考えられています。そのためハイブリッド車用超低粘度オイルが世界的にとても重視されており今回0W8/0W12がAPI規格に取り入れられたと思います。
新しいこの「SP 0W8/0W12」は日本の「GLV-1」規格がベースで、テストもGLV-1と同じJASO M366テストなどが使用される日本発の世界規格オイルと言えると思います。
最後にこのオイルが出来たことによる最大の利点は、日本だけでなく世界中でハイブリッド車用のオイルが入手しやすくなることです。ここがきわめて大きな利点です!
おまけ 国内ではGLV-1規格がすでにあり各社指定オイルとなっているため、しばらくはSP規格0W8や0W12はあまり普及しないと思います。本格的な普及は次のGF-7規格が制定後となりそうです。