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エンジン摩耗について  その3  摩耗を防ぐには?

エンジン摩耗は防げません。ただ減らすことはできます!

前回のブログではエンジン摩耗は大きく4種類あると書きました。

①凝着摩耗

凝着摩耗は金属同士がぶつかることで摩耗するので、これはオイル粘度を上げて油膜を厚くすれば減らすことができます。つまり2つの金属間に分厚い油の層をつくることでぶつかるのを減少させます。例えば0W20のかわりに5W30を入れると摩耗が減少します。(正確にはHTHS粘度がより大切です)

②腐食摩耗

腐食摩耗は燃焼により発生する硫酸などで金属がとけて起きるので、酸を中和する「中和剤」がオイルに入っています。ただ酸を中和するたびに中和剤が減少するため中和剤が不足する前にオイル交換が必要です。

③アブレシブ摩耗

オイル中の金属粉、微小な砂などの異物などが金属表面をやすりのように削ることで起きます。対策としてはオイル交換で金属粉や異物などを取り除くことが大切です。また油膜が金属粉・異物などよりぶあつければ摩耗しないためここでも高粘度オイルが有利です。オイル以外ではオイルフィルター・エアフィルターの定期的な交換が必要です。

④疲労摩耗

加熱・放熱または繰り返し力が加わることで起きます。なかなか防ぎにくいですがこれも粘度が高ければある程度減少します。

 

つまり摩擦を減少させるには定期的なオイル交換とある程度の粘度が必要ということがわかります。必要な粘度はこれまではノンターボ車でHTHS粘度2.6以上、ターボ車では2.9以上が必要と言われていました。現在はターボ装置の軸受けの材質が改良されHTHS2.9なくても焼け付くことがなくなり、またハイブリット車でエンジンを充電用のみに使用する場合はエンジン回転も一定で負荷が少ないためHTHS2.6以下でも問題ありません。だからこそ0W8や0W12・0W16など超低粘度オイルが出ています。しかしこれはある意味「限られた用途」用のオイルで、ハイブリットなど負荷が少ないエンジンや、材質が耐摩耗の対策がされているなどが使用の前提です。

すべての車を対象に考えるとターボ車のHTHS2.9以上とノンターボ車の2.6以上が今でも目安です。なおHTHS粘度についてはオイルマニアブログ2020年7「HTHS粘度」に詳しく記載しています。

 

次回は磨耗を非常に減らすことができるオイルについて書く予定です。お楽しみに!

 

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