エンジンの摩耗について その9 タイミングチェーンの摩耗対策!
タイミングチェーンは磨耗すると伸びます。伸びが一定量を超えると交換が必要となります。そのためSP規格ではタイミングチェーンの伸びを、216時間エンジンを一定条件下で回した後でも0.085%以下の伸びに抑えることが求められています。
ではタイミングチェーンの摩耗を減少させるにはどのような方法があるでしょうか。これについてはある研究があり結論だけ簡単に書きます。
結論 タイミングチェーン摩耗はベースオイルの粘度に依存しています
100℃動粘度が「3」のベースオイルを使用して0W8、0W12、0W16の3種類の粘度のオイルを作りテストすると3つはほぼ同じ伸びになります。0W16は一番伸びが少なそうですがそうなりません。次にベースオイルを100℃動粘度「4」に変えて0W16を作ると約10%伸びが減少します。
理由としてはチェーンにかかる圧力はけた違いに強いため粘度指数向上剤が強い圧力で引き延ばされてベースオイルの粘度まで下がるからです。
つまりタイミングチェーン摩耗に強いオイルを作るにはベースオイル粘度を上げていくことが大切です。ただ、実はもう1つ方法があって摩擦低減剤(FM剤)の効果があります。モリブデンやチタン・多層フラーレン二硫化タングステン等摩擦低減剤はタイミングチェーン摩耗対策としてとても効果があります。
ベースオイル粘度と摩擦低減剤をうまく組み合わせることでタイミングチェーン摩耗は減らせます。この組み合わせが技術です。
CMです
弊社のオイルのタイミングチェーン摩耗防止性能は、オイルマニアブログ2023年12月6日「エンジン摩耗について その5」のグラフを見て下さい。特にACEA A3/B4 SPは優れた性能です。