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エンジン摩耗について その12 摩耗がすすんだエンジンのオイル 油膜の厚さ

前回のブログで摩耗がすすんだエンジンにはより高粘度オイルをと書きました。では粘度を上げると油膜はどう変化するでしょうか?


エンジンには、多数の可動部品があり、オイルはそれらを潤滑しますが、それでも摩耗がおきます。ハイマイレージ=多距離走行車では、新車よりすきま(クリアランス)が広くなっています。ここが大切ですがメーカーの指定粘度は新車のすきまにあわせたものです。例えばピストンとシリンダーの場合、すきまが広くなるとより厚い油膜が必要です。油膜の厚みが不足すると圧縮がもれ馬力がさがり、燃費が悪化し、さらに摩耗がすすみます。このためメーカー指定粘度よりもさらに高粘度オイルが適切となります。

より高粘度オイルとは番手をあげる(例えば0W20⇒5W30)ことです。ただこれは簡易的なものでより正確にはHTHS粘度が大切です。HTHS粘度とはオイルを150℃まで加熱して円錐形の金属ではさみ、圧力をかけて計測した粘度で、まさに実効粘度です。

下の表はSP規格オイルの粘度毎の規格上の最低HTHS粘度です。例えば0W20を5W30に変えると2.9÷2.6=1.12ですので油膜が12%厚くなります。

ただこれは最低限の数値なので正確には各オイルメーカーが公表しているHTHS粘度でみます。弊社の主なオイルのHTHS粘度は下記のようになり同じ粘度でもHTHS粘度が異なることがわかります。

最後にオイルは使用状況やエンジンの状態、省燃費優先かエンジン保護優先かなどで最適な規格や粘度は変わります!

 

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