NOACKとは? その1 NOACKの歴史
オイルの性能テスト1つにNOACK(ノアック)があります。NOACKとはどんなテストでどういう意味を持つのでしょうか?数回にわけて書いて聞きます。初回はNOACKテストの歴史です。
NOACKが何かの略語と思われた方、残念でした!(私も最初は略語と思っていました)NOACKとは1930年代にこのテストを開発したカート・ノアック博士の名前です。人名のため正確にはNoackですが通常NOACKと書きます。長く欧州で使用されていたテストですが1984年位からアメリカでオイルの性能テストとして使用され始め、1992年にAPIのSH規格検討時に省燃費規格GF-1に採用され、1994年SH規格リリースと共に世界的テストとなりました。
NOACKテストは一言で言うと「オイルの蒸発損失質量」を計測するテストです。
NOACKテストはASTM D5800と呼ばれオイルを容器に入れて空気を送り込みながら250℃に加熱して1時間後に最初の質量からどれだけ蒸発により減少したかを計測します。ある意味非常に単純なテストで、やかんに水をいれてガスにかけて1時間後どれだけ水が減ったかというのと同じ感じです!
NOACKが15なら15%蒸発するので、例えば100CCのオイルが1時間後85CCまで15CC減少します。NOACK20なら100CCが80CCまで減少します。つまり数字が大きいと蒸発損失が多く、小さいと蒸発損失が少ないオイルです。
NOACKは同じ粘度のオイルでも数値がことなります。なぜ異なるかは次回説明します。お楽しみに!
おまけ 天ぷらやフライを揚げる時、コロッケやとんかつは180℃、エビや魚は200℃が適温だそうです。NOACKテストしながら天ぷらをあげると真っ黒になります!