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エンジン摩耗について その13 オイル粘度とHTHS粘度の違い 

エンジンの摩耗とHTHS粘度は深い関係があります!(エンジン摩耗についてその12 と内容的に重なる部分があります)

HTHS粘度を簡単に書くと、通常のオイル粘度はガラス管の中をオイルがどれだけ早く流れ落ちるか計測するだけですが、HTHS粘度は、金属同士でオイルをはさみ圧力をかけて高速回転させポリマーが伸びきる過酷な状況で計測した粘度です。カムや軸受け・ピストンリングなどエンジン内を再現した実効粘度です。

実は金属と金属の間にオイルの層があるときは「流体潤滑」といってオイルがクッションになり摩耗は起きません。この状態ではオイル粘度が薄いほどオイル抵抗が少なく燃費が良くなります。そのため0W8や0W12・0W16など超低粘度オイルは燃費がよくなります。

しかし過酷な走行時、金属同士がゴリゴリとぶつかり合う「境界潤滑」となり、この状態ではHTHS粘度で、エンジンの摩耗量が決まります!

この目安がHTHS粘度2.6で、2.6以上あるとかなり摩耗が減少するので個人的には0W20以上の粘度をお勧めしています。さらにHTHS2.9以上あると非常に摩耗が少なくなり、理想的はHTHSが3.5あれば完璧で、3.5以上はエンジン保護の利点より、燃費が落ちる欠点が気になってきます。(もちろんレースや過酷な走行時はより高いHTHS粘度が必要です)

燃費を出来るだけ落とさずにHTHS粘度を一定以上に維持するのがオイル開発の難しいところです。

 

オイルの粘度とHTHS粘度の関係についてはSAE J300という規格でオイル粘度に対して最低のHTHS粘度が決められています。弊社のオイルについてはHPで主要オイルのHTHS粘度を公開しています。オイル選びの参考にして頂ければと思います。

 

 

 

以下はめちゃCMです! (というか自慢ばなし)

個人的にはエンジン摩耗対策と省燃費のバランスが最高なオイルはT-BLEND ACEA C3 SP GF-6 5W30です。この規格を見ただけでわかる人はわかると思います。たまにこんなオイル出来るはずがないと言われますがあります! HTHS粘度が3.5あり、かつ省燃費テストGF-6に合格しています!

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