油温によるオイルの劣化 油温とオイル交換の寿命の関係!
オイルは通常80℃~100℃くらいの温度で最適な性能が出るように開発されています。山道や高速道路でたまに100℃を超えても短時間なら問題ありません。しかしチューニングしたエンジンや、スポーツ走行などで油温がずっと110℃、120℃で走行するとオイルの寿命はどうなるでしょうか?
結論からいうと油温が100℃を超えて10℃上がるごとにオイルの寿命は半分、つまり1/2になります。もし油温100℃で10000Km持つオイルがあれば油温110℃では5000Km毎、油温120℃では2500Km、油温130℃では1250kmでオイル交換が必要となります。
油温が10℃上がるごとにオイル寿命が半分になるということをご存知の方はわりとおられると思いますが、その理由まで知っている方は少ないと思います。
これは「アレニウスの式」という公式があり、化学反応の温度依存性、簡単に言うと温度により反応がどう変わるのかを式にしています。これによると油温が10℃上がるごとにオイルの酸化速度が2倍になることがわかります。そのため油温10℃UPで寿命は半分になるといわれています。
オイルの寿命はスラッジや金属粉の混入や粘度指数向上剤のせん断などいろいろあり、なかでもオイルの酸化は大きな原因です。今回はこのオイルの酸化という面から見た油温とオイル寿命の関係について書きましたがオイル寿命には多くの要因があるのでこれだけ油温だけではないということも知っておいてください。
おまけ その1
油温が上がるとそもそも粘度が低下します。100℃を超える油温を多用する場合はどの粘度のオイルを使用するか考え直す必要があります。
おまけ その2
私はカルビーのポテトチップスが大好きですが、賞味期限は常温で6ヶ月です。カルビーが設定している常温は不明ですが、もし35℃で設定しているならアレニウスの式で、室温45℃で3ヶ月、55℃で保管すると1.5ヶ月でポテチの植物油が酸化し美味しくなくなる計算となります。買ったらすぐ食べるのが一番美味しいです!