動粘度とHTHS粘度の違い HTHS粘度の大切さ!
オイルはエンジン内部の各所を潤滑します。潤滑する場所により部品同士が接触する速度やかかる圧力がまったく異なります。つまり同じオイルでものんびり仕事ができる場所とめちゃくちゃ働かされる場所があります。(どこの会社でも同じですが…)
下記の表では右へいくほど10倍ずつせん断速度があがる過酷な環境です!
一番楽をしているのがリングやシールの背面でこのあたりからせん断速度が106まではあまりオイルの性能に差が出にくいところです。ただ106を超えるとHTHS粘度の世界になります。つまり速度と圧力がかかり粘度指数向上剤が引き延ばされ実効粘度が最初の1/3程度まで下がるなかでどれだけ油膜が保てるかです。
HTHS粘度はこのような過酷な状況下での実効粘度、つまり油膜の厚さでピストンの焼け付き、コンロッドベアリングやカムリフターの異常摩耗などはHTHSが粘度不足している場合があります。
オイルを選ぶ際は0W20や5W30などの表記も大切ですがHTHS粘度がとても大切です。同じ粘度でもHTHS粘度はことなります。
HTHS粘度が非公開のオイルも多いですが、個人的にはHTHS粘度は粘度(動粘度)と共に公開すべき大切な数値と思います。