ハイブリッド車のエンジンオイルについて その2 エンジン摩耗
ハイブリッド用に必要なオイルに必要な性能とは何でしょうか?
もちろん省燃費性能が1番ですが、それ以外に「より優れたエンジン保護性能」と「水分対策」が必要です。今回のブログでは「エンジン保護性能=耐摩耗性能・スラッジとカーボン対策」を取り上げます。(次回は水分対策です)
どんなエンジンでもエンジン保護性能は大切ですが、ハイブリッド車では燃費を上げるため0W16や0W20などの低粘度オイルを使用します。低粘度オイルは油膜が薄くエンジン各部の抵抗が少なく軽く動きますが、その反面エンジン摩耗が進みます。そこで耐摩耗性能が大切ですがこの部分は割と対策が簡単でモリブデンの使用や添加剤量の増量などである程度対策ができます。
難しいのは、ハイブリッドが通常エンジンと比較して始動・停止が10倍程度多い点と、低油温での運転時間が長いためスラッジやカーボンの発生量が非常に多くなります。つまり「低温清浄性能」が非常に大切です。この対策がなかなか難しく、この技術の差でオイルの性能に差が出ます。下記の写真は弊社のACEA C5/C6 SP 0W20で10万キロ走行後のプリウスのピストンです。清浄分散剤が低温でもとても良い効果を発揮していることがわかります。
10万キロ走行後のプリウスのピストン
ハイブリッド用オイルは、単に従来のエンジンオイルを低粘度にしたものではなく、ハイブリッドエンジンの特性にあわせた低粘度オイルが必要です。
おまけ
ベアリングの摩耗テストはシークエンスⅧです。エンジンを40時間回してコネクテッドロッドベアリングの重量がどれだけ減少するかをテストします。限度は26mgでこれ以上摩耗すると規格外となります。
ちなみにCMですが弊社のSP GF-6 RC 0W20では「11mg」で、規格限度の約40%、ACEA C5/C6 SP 0W20では「8mg」で限度の約30%まで摩耗が減少します。