ハイブリッド車のエンジンオイルについて その3 水分問題
ハイブリッド車の一番の弱点はエンジン内部に水分がたまることです!よくわかるのがオイルの乳化(白濁)です。
水分がたまる原因は大きく2つあります。
1つはエンジンの始動・停止が通常エンジンの約10倍多く始動時に大量の水分が発生します。
2つ目は走行時の油温が低いためたまった水分が蒸発しないことです。
1つめですが、ハイブリッドエンジンの特性として始動時に、「高出力コールドスタート」をすることです。エンジン始動と同時に最高出力です。
例えると準備運動なしでいきなり100mを全速力で走るようなものです。(今の私なら途中でバタッとこけていると思います)さらに始動停止が通常エンジンの10倍多いのでハイブリッドエンジンには大量の未燃焼ガソリンと水分がたまります。
2つ目の低油温ですがハイブリッドはバッテリー(電気)で走行する間エンジンは停止するので長時間走行しても油温が低いままです。どの程度低いかというのが下記の表です。
ハイブリッドは一般道走行中は40℃程度、高速道路でやっと60℃程度という非常に低い油温です。水分は100℃近くにならないと蒸発しないためエンジン内に水分がたまり続けます。
この水分対策がハイブリッドオイルでは一番大切になってきます。これまでもオイルの耐水性テストはいくつかありますが基本は通常エンジン用のテストで、より水分量が多いハイブリッドではこのテストを超えるさらに過酷なテストを行うことが必要です。このテストは規格の限界以上の大量の水分をオイルに混入させてテストします。規格がまだ追いついていない部分のテストもハイブリッド用には大切です。
次回は水分がどのような問題を引き起こすかをより詳しく書いていく予定です。オイルの乳化についてもちょっと意外な視点がありますよ!