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ハイブリッド車のエンジンオイル その4 水分は磨耗の原因

ハイブリッドエンジンの一番の弱点はエンジン内部に水分がたまることで、この水分量がオイルに対して10%をはるかに超えることがあります!

では水分の悪影響はどのようなものでしょうか?

①粘度低下  水分の混入で粘度低下します。特にHV用の0W16・0W20などの低粘度オイルの粘度低下は腐食・錆・摩耗・焼け付きの原因となり危険です

②オイルの乳化 乳化は見た目が悪いだけでなく腐食や摩耗の原因です。ただ意外ですが実は良いオイルは「良い乳化」するよう設計されています。この乳化の限界を超えると水分が分離して、より悪い状態となります

③水分の分離 乳化出来ない水分は分離します。水分が分離すると当然腐食や錆の原因となります。

さらにオイルポンプの底にたまった水が極寒時に氷結してオイルポンプをつまらせエンジン始動時にオイルが回らず、焼け付きや摩耗の原因となります。それが下記の写真でオイルポンプの吸い込み口を氷が完全にふさいでいます(SwRI社提供)

また凍結しなくても大量の水分が吸い込まれてオイル切れ状態となりエンジンの損傷や摩耗につながります

 

④オイルのゼリー化 水分量が大量の場合、乳化ではなくゼリー状になることがあります。これは添加剤のある成分と水分が反応することが原因ですが、ゼリー状になるとオイルフィルターなどで抵抗となりオイルの循環量不足の原因となります

 

最後にHVエンジンでは水分だけでなく大量の未燃焼燃料の混入がありオイルと水分と燃料が混じりあい複雑な反応が起きます。従来のテストで規定されていない大量の水分や未燃焼燃料の混入テストまですることでHVに適した性能のオイルができます。このHVにとても必要な性能を「乳化(エマルジョン)の安定性とバランス」 と呼びます。

 

CMですが弊社ではこのテスト済みの添加剤を使用してSP規格とACEA C5/C6の0W20を製造しています。当然ながら世界的添加剤メーカーの技術です!

 

 

おまけ 

乳化には「良い乳化」と「悪い乳化」があります。簡単に書くと「水分をオイルで包み込む⇒良い乳化」で、「オイルが水分に包み込まれる⇒悪い乳化」です。

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