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ハイブリッド車のエンジンオイル その5 乳化の安定性とバランス 最終的な解決とは?

ハイブリッド用のエンジンオイルに求められる大事な性能は「乳化の安定性とバランス」です。

実は乳化には2種類あります。この違いはとても重要で、写真左が「良い乳化」でオイルの中に水分が微粒子として閉じ込められ、エンジンへの悪影響は少なめです。

写真右は「悪い乳化」で水分がオイル粒子を包んでいて大きな悪影響があります。このように乳化には「良い乳化」と「悪い乳化」があります。

 

左 良い乳化       右 悪い乳化

 

優れたハイブリッド用オイルは大量の水分を「良い乳化」としてオイル中に分散させてエンジンへの悪影響を最少にして、油温が上がると水分を速やかに放出する性能があります。この水分の分散と放出が「乳化の安定性とバランス」とよばれる性能です。

ちなみに弊社が使用している世界的添加剤会社では、一例として通常最大10%までの水分混入テスト(ASTM D7563)を最大40%まで「乳化の安定性とバランス」のテストをして悪影響を最少に抑えています。さらに水分以外にも大量の未燃焼燃料の混入があり、オイルと水分、燃料が混ざる複雑な反応が起きますが、このテストまですることで優れたハイブリッド用オイルができます。

 

最後にハイブリッド車の水分や未燃焼燃料の問題はオイルでは解決はできません。つまりオイルでなく、HVエンジン自体の問題です。私見ですがこの問題を最終的に解消するためには、たとえば一定時間ごとに油温を80℃~100℃まで上げて水分や未燃焼燃料を蒸発させるような機能が必要ではと思います。

 

おまけ

良い乳化は「ウォーターインオイル」悪い乳化は「オイルインウォーター」と呼ばれます。

 

 

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