ハイブリッド車のエンジンオイル その6 エンジン摩耗を防ぐには!
ハイブリッド車用エンジンオイルで大切なことは、燃費とエンジン保護のバランスです!一般的に0W16と5W30では2-3%程度、燃費に差がでます。(ただ東京から熱海まで走行して2-3km程度のちがいです)
低粘度オイルは高粘度オイルと比較した場合、始動時の油膜が薄く、高油温時も油膜のせん断が起きやすいため耐摩耗性能が弱くなります。
フォード社の低粘度オイルテストでは ①特にエンジンの上部ピストンリングの摩耗の増加 ②カムシャフトのスラスベアリングの大きな摩耗 が報告されています。現実にはテスト以上に過酷で、水分や未燃焼燃料がさらにオイルを薄めて悪影響を与えます。
つまり低粘度オイルには燃費向上を維持しつつも、耐摩耗性能の向上がとても大切となります。具体的には有機モリブデン(MoDTP・MoDTC)の使用やエステル(GMO・GMISなど)、ポリマーの高性能化などで対応していきます。省燃費性能はオイル粘度をさげることで実現しますが、耐摩耗性能はいろいろな対策が必要です。これができているオイルが燃費とエンジン保護のバランスが取れている良いオイルとなります。
最後に弊社のオイルのテスト結果をのせておきます。大切なことは規格の限度に対してどれだけゆとりをもってクリアしているかということです。
赤が規格の限度でこれを超えると規格外です。緑が「SP GF-6 RC 0W20」で、青が「ACEA C5/C6 SP 0W20」の性能です。なおC5/C6の性能が特に良いのはACEA規格自体がエンジン保護優先オイルのためで、各種添加剤もSP規格より40%程度多めに添加されています。 その分製造コストも上げりますが… (´;ω;`)
最後に…
ハイブリッド車用エンジンオイルは、省燃費性能以外に水分対策、エンジン摩耗対策が必要です。粘度が低いオイルがハイブリッド車用エンジンオイルではありません!